12誘導心電図上心房細動様心電図を示した, 左房後壁下部起源心房頻拍の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of focal atrial tachycardia arising from the posterior-inferior left atrium mimicking atrial fibrillation in the 12-lead ECG

抄録

症例は60歳, 女性. 発作性心房細動に伴う動悸発作を認め, カテーテルアブレーションが施行された. 頻拍時の12誘導心電図は心房細動様であったが, 心内心電図では頻拍周期は300~340msec程度の変化を認めながらも同波形の頻拍が規則性を伴って, incessantに繰り返し出現していた. 同頻拍は冠静脈洞カテーテルで僧帽弁輪6時方向において早期性を示し, 左房起源心房頻拍と考えられた. CARTO mappingを行ったところ, 右下肺静脈後下方の, 僧帽弁輪付近左房後壁下部を中心とするfocal patternの興奮伝播が示され, その最早期興奮部位にて通電を行ったところ10秒ほどで頻拍は停止した. 以後頻拍は誘発不能となり心房性期外収縮も消失し, 現在6カ月が経過し, 外来にて内服薬をすべて中止しているが, 全く再発を認めていない. 比較的稀な左房後壁下部起源心房頻拍により, 心房細動様心電図を認めた1例を経験した.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 42 (16), 20-29, 2010

    公益財団法人 日本心臓財団

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1572824502802272128
  • NII論文ID
    130006745444
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

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