開心術後の腸管壊死症例の検討

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  • Intestinal Necrosis Following Open Heart Surgery

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抄録

1996年7月から2000年9月までに当科で行った開心術176例において, 周術期死亡は8例 (4.5%), この中で腸管壊死による死亡は4例 (2.3%) であった。基礎疾患は, 冠動脈疾患2例, 後天性弁膜症2例であった。維持透析中の1例を除いた3例は, 70歳以上と高齢者であった。全例大量輸血を必要とし, 1例では術後低心拍出量症候群を呈し, IABPを必要とした。それ以外の3例では, 術後カテコラミンは比較的低容量の使用であった。臨床症状において, 本疾患に特徴的といえる所見に乏しく, 血液生化学所見においても同様であった。ただ, 突然のアシドーシスの進行, GOT, GPT, CK, LDHいずれか, ないしは複数の著明な上昇は本疾患を診断する参考になると考えられた。病理組織学的所見から, 全例IMA, SMA本幹や主要血管に血栓を認めず, 腸管壊死は非閉塞性腸管虚血によるものと考えられた。

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