肺癌化学放射線療法に伴う放射線食道炎に対するポラプレジンクの後方視的検討

  • 山東 真寿美
    大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター薬局
  • 金銅 葉子
    大阪府立成人病センター薬局
  • 碓氷 尚子
    大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター薬局
  • 植田 有希
    大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター薬局
  • 岩田 香
    大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター看護部
  • 良田 紀子
    大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター看護部
  • 田宮 基裕
    大阪府立成人病センター呼吸器内科
  • 鈴木 秀和
    大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター肺腫瘍内科
  • 岡本 紀雄
    大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター肺腫瘍内科
  • 平島 智徳
    大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター肺腫瘍内科

書誌事項

タイトル別名
  • Efficacy of Polaprezinc Against Chemoradiotherapy-induced Esophagitis in Lung Cancer Patients: a Retrospective Study

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抄録

<p>目的.化学放射線療法(CRT)に伴う有害事象に,放射線粘膜炎や食道炎がある.頭頚部癌では,これらに対してポラプレジンクの有用性が報告されている.そこで胸部悪性腫瘍患者を対象に,ポラプレジンクの予防効果を検討した.方法.CRTを受けた50例を対象とした.ポラプレジンクをアルギン酸ナトリウム(AL)液に溶解し使用した(AL+Zn)群とAL液のみを使用した(AL)群を,visual analogue scale(VAS)を用いて比較した.結果.疼痛が「なし・軽度:VAS<30 mm」はAL+Zn群/AL群=88%/83%(P=0.315),「中等度:30 mm≦VAS<54 mm」は11%/4%(P=0.060)であった.しかし,「高度:VAS≧54 mm」は1%/13%と有意差が認められた(P=0.00088).食道炎≦Grade 2は67%/84%(P=0.196)と有意差はなかった.Grade 3はAL+Zn群で認められなかったが,AL群で1例認められた.結論.ポラプレジンクは胸部悪性腫瘍におけるCRTに伴う食道炎に対して,高度な疼痛を伴う食道炎の予防は可能であったが,全般的な予防効果は得られなかった.</p>

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 57 (2), 96-101, 2017

    特定非営利活動法人 日本肺癌学会

参考文献 (16)*注記

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