腹腔鏡下肝生検にて診断しえたFontan術後肝合併症の3例

  • 小泉 洋平
    愛媛大学大学院消化器・内分泌・代謝内科学
  • 廣岡 昌史
    愛媛大学大学院消化器・内分泌・代謝内科学
  • 今井 祐輔
    愛媛大学大学院消化器・内分泌・代謝内科学
  • 中村 由子
    愛媛大学大学院消化器・内分泌・代謝内科学
  • 渡辺 崇夫
    愛媛大学大学院消化器・内分泌・代謝内科学
  • 吉田 理
    愛媛大学大学院消化器・内分泌・代謝内科学
  • 徳本 良雄
    愛媛大学大学院消化器・内分泌・代謝内科学
  • 竹下 英次
    愛媛大学大学院消化器・内分泌・代謝内科学
  • 池田 宜央
    愛媛大学大学院消化器・内分泌・代謝内科学
  • 檜垣 高史
    愛媛大学大学院医学系研究科分子・機能領域小児科学
  • 阿部 雅則
    愛媛大学大学院消化器・内分泌・代謝内科学
  • 石井 榮一
    愛媛大学大学院医学系研究科分子・機能領域小児科学
  • 日浅 陽一
    愛媛大学大学院消化器・内分泌・代謝内科学

書誌事項

タイトル別名
  • Three cases of Fontan-associated liver disease: diagnosis by laparoscopic liver biopsy
  • 症例報告 腹腔鏡下肝生検にて診断しえたFontan術後肝合併症の3例
  • ショウレイ ホウコク フククウキョウ カ カンセイケン ニテ シンダン シエタ Fontan ジュツゴ カン ガッペイショウ ノ 3レイ

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抄録

<p>Fontan術後の長期経過中に,Fontan循環に起因し肝線維化の進展と肝細胞癌の発症をきたすFontan術後肝合併症(Fontan-associated liver disease:FALD)が近年注目されている.FALD症例で肝線維化診断のため肝生検を施行した報告は少数ながらみられるが,腹腔鏡を施行し,肝の形態と組織評価の両方を行っている報告は無い.今回我々は腹腔鏡検査を施行しFALDを診断しえた3例を経験した.症例は34歳男性,33歳男性,25歳女性で,それぞれFontan術後から23年,17年,17年であった.腹腔鏡検査にて全例結節肝の所見であった.鬱血肝に対する肝生検では術後出血に注意する必要があるが,腹腔鏡では腹腔内出血の有無を詳細に観察可能であり,今回肝生検を施行した全例で出血が無く終了できた.肝組織所見は,中心静脈周囲を中心とした線維形成がみられ,鬱血による線維化進展に矛盾しない所見であった.Fontan術後症例では安全かつ確実な診断を行うためには従来の超音波ガイド下生検よりも腹腔鏡検査での施行が望ましい.FALDは術後経過により肝線維化が進展し肝発癌の高危険群になると考えられ,定期的な画像検査が必要である.</p>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 57 (12), 656-665, 2016

    一般社団法人 日本肝臓学会

参考文献 (19)*注記

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