成人まで持ち越した唇歯音化症例の治療経験

  • 宮田 恵里
    関西医科大学大学院医学研究科高次脳制御系耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 関西医科大学附属病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 宮本 真
    関西医科大学附属病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 友田 幸一
    関西医科大学

書誌事項

タイトル別名
  • Treatment Experience of a Case of "Labiodental Sounds" Diagnosed in Adulthood

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抄録

<p>fやvなどの唇歯音は英語圏では正常な発音であるが,日本語にはない発音方法である.今回,歯音が唇歯音化する唇歯音化構音の治療を経験したので,若干の文献的考察を踏まえて報告する.<br>患者は幼少期より自身で発音の誤りを自覚し,かつ周囲から指摘されていたにもかかわらず構音訓練を受けないまま成人まで経過した.誤った発音が長期間持続したため,会話や電話などに恐怖心を覚え,社会生活におけるコミュニケーションに支障をきたしている状態であった.構音訓練は機能性構音障害の訓練で用いる手技で施行した.1セッション30分で月1回のペースで行い,6ヵ月間に計6回施行した.訓練後は日常会話でもすべての音を発音できるようになり,対人関係における恐怖心も消失した.</p>

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参考文献 (2)*注記

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