リウマチ性疾患における新規自己抗原NA14に対する反応性の検討

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抄録

NA14(Nuclear Autoantigen of 14kDa)は、1998年にRiosらによりシェーグレン(SjS)患者血清をプローブとしてhuman testis cDNA libraryより同定された新規自己抗原である。しかしながら、その後NA14と自己免疫の関連を示す追加報告は無く、各リウマチ性疾患でのNA14に対する自己抗体の出現率や臨床データとの相関、及びその生体内での役割は不明なままであった。そこで今回我々はリウマチ性疾患患者血清における新規自己抗原NA14に対する反応性を、リコンビナント蛋白を用いたELISAにて測定し解析を加えた。健常人血清(n=39)のODの平均値+3SDをCut Off値としたところ、SjS患者血清(n=89)において25.5%、混合性結合組織病(MCTD)患者血清(n=113)においても15.9%が陽性であった。これらの疾患におけるNA14に対する自己抗体の出現率は全身性エリテマトーデス(SLE)患者、関節リウマチ(RA)、強皮症(SSc)、皮膚筋炎/多発性筋炎(DM/PM)患者と比較して統計学的に有意に高率であった。各種リウマチ性疾患患者血清における抗NA14抗体の出現はほぼSjS及びMCTD患者に限られており今後疾患特異性をもった自己抗体として臨床応用が出来る可能性を秘めていると考えられた。

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詳細情報

  • CRID
    1390001205524891136
  • NII論文ID
    130006949100
  • DOI
    10.14906/jscisho.34.0.7.0
  • ISSN
    18803296
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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