蛍光抗体法での核小体染色は 抗RNA polymerase_I_/_III_抗体のスクリーニングに有用か?

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抄録

目的:抗RNAP_I_/_III_陽性例での蛍光抗体法 (IF)での染色パターンを解析し、核小体染色が抗RNAP_I_/_III_抗体のスクリーニングに有用であるか否かを検討した。また、ELISA、免疫沈降法 (IP)との相関も解析した。方法:18例の抗RNAP I/III陽性血清をIF(HEp2細胞) 、抗RNAPIII ELISA, IP(35S標識K562細胞抽出液)で調べた。抗RNAP_I_/_III_抗体陽性血清(IP陽性)は 抗fibrillarinモノクローナル抗体との二重染色で核小体の一部が染色されているかを確認した。結果: 抗RNAP抗体陽性者18例すべては斑紋型核染色を示したが核小体染色は 44_%_のみであった。核小体染色はさらに、抗fibrillarin抗体との二重染色でさらに28_%_の血清で確認されたが、残る症例の核小体染色は陰性であった。この結果は100_%_の血清で核小体染色陽性であった抗fibrillarinや抗Th(7-2RNP)血清 と対照的であった。ELISAとIPの抗RNAP IIIレベル= 0.6127, P = 0.0089)、 抗RNAP _III_とRNAP Iレベル(IP)は正の相関を認めた(r = 0.6786, P = 0.0054)。抗RNAP _III_のELISA, IPでのレベルは核小体染色陽性例で有意に低かった (P < 0.01) 。一方で、抗RNAP_I_レベルの高い血清は、核小体染色が陽性であった。結論:核小体染色の有無は抗RNAP I/III抗体のスクリーニングとしては有用でなく、強皮症の症例では 抗核抗体のパターンに関わらず、抗RNAPIII ELISAを行うことが 適切であると考えられた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205524953088
  • NII論文ID
    130006949177
  • DOI
    10.14906/jscisho.34.0.12.0
  • ISSN
    18803296
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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