高齢者の住まいにおける熱中症対策の試み

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タイトル別名
  • The Experiment on Prevention of Heat Disorders via Improvement Thermal Environment in House for the Elderly during Summer

抄録

目的 熱中症死亡者数は近年増加し,その約80%は高齢者で,住宅内での発症が半数を超えている。住宅内での対策は喫緊の課題である。本研究では,高齢者の住まいに熱中症対策を試み,効果と居住者の意識・行動の変化を明らかにすることを目的とする。<br>方法 京都府内の有料老人ホーム(住宅型)入居者を対象に調査を実施した。調査は2016年6月にアンケート調査を行った。同意の得られた10軒に7月18~29日に日除けシェード(PE製)を設置,前後の室内温熱環境を測定した。測定は小型温湿度ロガーによる自動記録と小型WBGT計を居間に設置し,居住者にWBGT,温度,湿度の読み取り記録を依頼,前後にヒアリング調査を実施した。 <br> 結果 アンケート調査の結果,配布284票,回収159票(回収率55.9%),回答者の平均年齢は80.2歳であった。熱中症の認知度は, 「室内での発症を認知」91.8%,「就寝中の発症を認知」78.6%で,「熱中症対策に関心あり」95%,水分補給や衣服などの対策はよくされていたが,住宅面の対策はあまりされていない。暑さ指数の認知度は「意味認知」は3.8%,「言葉のみ」30.2%であった。シェード設置前後の室内温湿度測定の結果,全住戸で室温の低下が見られ,ある程度の日射遮蔽効果が得られることが明らかになった。 WBGT計読み取り記録では,日本生気象学会が警戒域としている25℃で居住者が危険や不快を感じていた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205560563840
  • NII論文ID
    130006958373
  • DOI
    10.11428/kasei.69.0_236
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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