感染糸形成に関わるミヤコグサ共生変異体の遺伝解析

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タイトル別名
  • Genetic Analysis of Infection Thread Mutants in <I>Lotus japonicus</I>

抄録

マメ科植物の共生的窒素固定において、感染糸は根圏の根粒菌を植物根組織内に取り込む構造として重要な機能を担っている。我々は感染糸形成に関わる因子を分子遺伝学的に同定する目的で、感染糸形成に不全をきたすミヤコグサ共生変異体を単離し、その解析をおこなっている。現在までに、B-129に由来する5相補群についてファインマッピングを終了した。Ljsym74Ljsym80は第1連鎖群、Ljsym82Ljsym84は第2連鎖群、Ljsym79は第5連鎖群に座乗した。この内、Ljsym82Ljsym84については変異を特定した。また、Ljsym74はB-129とMG-20間の転座に伴う0cM共分離領域に座乗したため、さらにB-129とB-303のF2集団を用いたマッピングによって座位を特定している。また表現型解析により、感染糸変異体を2つの異なる側面から分類した。すなわち感染糸形成不全位置による分類では、CP1-type(根毛内での形成開始あるいは伸長の阻害)とCP2-type(表皮細胞-皮層細胞境界での阻害)、感染糸形態による分類ではAstragaloid-typeとDesmodioid-typeである。硝酸態窒素などによる生理的感染糸形成不全においても全ての表現型が観察されることから、これら変異体の原因遺伝子は感染糸形成の調節機構に決定的な役割を果たしていると考えている。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205626985216
  • NII論文ID
    130006987086
  • DOI
    10.14841/jspp.2004.0.442.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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