オーキシンによる側根原基形成時に活性上昇するイネのエンド-1,4-β-グルカナーゼの遺伝子の発現と翻訳後のプロセッシング

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タイトル別名
  • Gene expression and posttranslational truncation of a rice family 9 glycosyl hydrolase (EGase) with a broad substrate specificity during the lateral root formation.

抄録

合成オーキシン2,4-Dはイネ幼根切片で内鞘細胞から側根原基の形成を促進する。私達はこの過程で活性上昇するエンド-1,4-βグルカナーゼ(EGase)の基質特異性を解析し、本酵素がCM-セルロースやβ-1,3-1,4-グルカンだけでなくアラビノキシランのようなタイプII細胞壁の主要マトリクス多糖やグルコマンナンを分解する事を見い出した。本EGase遺伝子はGHファミリー9に属し、推定翻訳産物は全長約68 kDaで、精製物(51 kDa)よりC末が125残基長かった。このmRNAは、側根原基形成中の幼根で全RNA量1pg当たり数コピー存在し、側根原基に局在する事が発現解析より示された。ペプチド抗体を用いてウエスタンブロッテイングを行なった結果、51, 68, 110 kDaの3つのタンパクが検出された。51 kDaは緩衝液可溶性画分に多く、68 kDaと110 kDaの2つはミクロソーム画分に多かった。このうち、51と68 kDaは2,4-Dでタンパク量が増大したが、110 kDaの量は変化しなかった。2,4-D非存在下の側根形成過程では検出強度は弱いが、原基形成にともない51と68 kDaのタンパク量は増大し、つぎに側根が親組織の内皮を突き破り外へ出ていくにともなって、タンパク量が低下する傾向にあった。51 kDaのEGaseタンパクは68 kDaのC末側がプロセッシングを受けて生じたものと考えられた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205629257728
  • NII論文ID
    130006989679
  • DOI
    10.14841/jspp.2006.0.194.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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