シロイヌナズナ<I>LFY</I>遺伝子の時間的、空間的な発現変化による小花柄と果実の伸長方向の制御機構の解析

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タイトル別名
  • The <I>LEAFY</I> regulates temporally and spatially the orientation of pedicels and fruits in <I>Arabidopsis thaliana</I>.

抄録

シロイヌナズナの花茎は方向性をもって伸長を開始する。小花柄と果実の伸長方向がより下向きになるcorymbosa1 (crm1 )/big 変異体を用いた抑圧変異体の単離により、伸長方向の変化が正常なLEAFY (LFY )の機能に依存すること明らかにした。さらにcrm1 変異体ではLFY の発現量が発生後期にのみ増加していることがわかった。そこで誘導系を用いて発生後期にLFYを活性化すると、小花柄の向軸側と背軸側の偏差成長の欠損と導管の過剰な発達が起こって、小花柄と果実がより下向きに伸長した。この変化に対応して、極性と維管束、特に導管の発達を制御するREVOLUTA 遺伝子の異所的な発現が見られた。<br>次にLFY から伸長方向の決定に至る分子カスケードの解明を目指し、LFYに転写活性化される直接標的遺伝子、APETALA1 (AP1 )に注目した。ap1 変異体でAP1を活性化した場合、LFYを活性化した場合よりも小花柄と果実の伸長方向に対する影響は小さくなった。一方、ap1 変異体でLFYを活性化した場合は、lfy変異体でLFYを活性化した場合とほとんど同様の変化が観察された。これらの結果から、適切なLFY の発現がAP1 だけでなく、さらに重要な他の因子を介して、小花柄の極性と維管束の発達の度合いに影響を与え、小花柄と果実の伸長方向を決定することが示唆された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205630653440
  • NII論文ID
    130006991464
  • DOI
    10.14841/jspp.2009.0.0663.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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