二次元ゲル電気泳動を利用した膜タンパク質の解析

DOI
  • 深尾 陽一朗
    奈良先端科学技術大学院大学・植物科学研究教育推進ユニット
  • 西森 由佳
    奈良先端科学技術大学院大学・植物科学研究教育推進ユニット
  • 藤原 正幸
    奈良先端科学技術大学院大学・植物科学研究教育推進ユニット
  • 大津 巌夫
    奈良先端科学技術大学院大学・細胞機能学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Method for Analyses of Membrane Proteins by Two-Dimensional Gel Electrophoresis

抄録

第48回植物生理学会において、脱塩処理を行っていないサンプル、SDSを含んだサンプルを用いて高解像度な二次元ゲル電気泳動像を得るためのノウハウを紹介した。本大会では、プロテオミクスにおける膜タンパク質の効率的な解析方法の確立を目的に、前回大会で紹介した二次元ゲル電気泳動を応用した解析方法を紹介する。解析に用いる膜タンパク質試料として、細胞膜タンパク質を水性二相分配法にて単離精製した。精製された細胞膜タンパク質画分を、SDSを含まない溶液と、1.5%SDSを含む溶液にそれぞれ溶かし、一切の前処理を行うことなく二次元ゲル電気泳動により分離した。この結果、各試料を用いた二次元電気泳動において、分離度の高い泳動像を得ることができ、膜タンパク質に特化した等電点電気泳動においてもSDS溶液が使用可能であることが示された。さらにSDS溶液を用いた場合、(1)水溶性溶液よりも高濃度の試料を得ることができる、(2)SDS溶液によって溶解されるタンパク質スポットが増加する、などの優位性が認められた。本二次元ゲル電気泳動法は元々分離能が高い事に加え、溶媒置換などの前処理が不要なることから、より定量性の高い膜タンパク質の比較解析を可能にする手法である。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680607526272
  • NII論文ID
    130006991716
  • DOI
    10.14841/jspp.2008.0.0993.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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