シロイヌナズナにおける二つのMYB遺伝子同時過剰発現による遺伝子発現及びフラボノイド蓄積の効果

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • The effect of double over-expressions of two MYB genes on gene expression and flavonoid accumulation in Arabidopsis

抄録

シロイヌナズナにおいて、アントシアニン及びフラボノール生合成はMYB75/PAP1及びMYB12によって制御されている。フラボノイド生合成機構を理解する上で、これらの過剰発現体(pap1-D及びMYB12OX)は生合成遺伝子及び代謝物の解明を可能とした。そこで二つのMYB遺伝子同時過剰発現体(WOX1-1, 2)(1)を作出し、フラボノイド過剰蓄積に関する植物体内の生理現象の誘導を試みた。Col-0、MYB12OX、pap1-D、WOX1-1, 2の5系統についてメタボローム及びトランスクリプトームの統合解析を行った結果、WOX1-1, 2においてMYB12OXのフラボノール量とpap1-Dのアントシアニン量の加算的な過剰蓄積がなされていた。一方、遺伝子発現においてはWOX1特異的に発現誘導を受けているストレス応答関連遺伝子が認められた。ストレス実験(NaCl及びmethyl viologen)を行った結果、pap1-D及びWOX1-1, 2が両ストレスに耐性を示した。本結果はストレス応答研究におけるストレス応答段階のフラボノイド蓄積、抗酸化化合物過剰蓄積に起因するフィードフォワードな二次的な影響を分類する上で、有効な結果であると考えられる。<br><br>(1) Nakabayashi R, et al., (2009) Phytochemistry, 70: 1017-1029

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205631167744
  • NII論文ID
    130006992230
  • DOI
    10.14841/jspp.2010.0.0868.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ