イネ開花制御における<I>RFT1</I>と<I>Hd3a</I>の遺伝子間コミュニケーション

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タイトル別名
  • Intergenic communication between <I>FT-like</I> genes regulates photoperiodic flowering in rice.

抄録

イネは、日の長さが短くなると開花が誘導される短日植物である。この光周性経路において、生殖成長期へ転換を促進する遺伝子が、Hd3aであるとされている。RFT1は、Hd3aともっとも相同性が高く、第6染色体上にHd3aと近接して座乗している。本研究では、RFT1の開花制御機構を明らかにするため、発育段階別発現解析、及びRNAiによる機能解析を行った。<br> RFT1の発現は低いながらも、Hd3a同様の発現パターンがみられたことから、短日条件下で、リダンダントに開花を制御している可能性が示唆された。<br> RFT1Hd3aの組み合わせによるRNAiを用いた機能解析(短日条件下)を行った結果、Double RFT1-Hd3a RNAi個体は300日経ても開花せず、栄養成長を続けた事からRFT1は新規の開花促進因子である可能性が示唆された。WTでは、通常RFT1の発現は低く、Hd3aが主な開花促進因子とされているが、Hd3a RNAi個体では、Hd3aの発現の抑制を補償するかのように、 RFT1の発現が著しく上昇し、開花が促進した。さらに、RFT1の発現上昇時には、RFT1の転写開始付近でH3K9のアセチル化が上昇し、クロマチン修飾が変化していた。短日条件下におけるイネの開花は、Hd3aRFT1のクロマチン修飾を介した二遺伝子間のコミュニケーションにより制御されている可能性が示唆された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205632855552
  • NII論文ID
    130006994760
  • DOI
    10.14841/jspp.2007.0.383.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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