カニクイザル大脳新皮質微小脳梗塞モデルを用いた脳梗塞関連タンパク質の網羅的解析

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タイトル別名
  • Proteomic analysis of cynomolgus monkey brain with small ischemic injury

抄録

近未来において、わが国は、超高齢化社会を迎えるにあたり、様々な検討すべき社会的問題が浮上している。中でも、血管性痴呆症は、患者数の多さ、高齢者のQOLの低下、社会的な負担の増大などの理由により、深刻な疾患のひとつとなっている。血管性脳障害に対する治療法の開発は世界的にも急務であるため、げっ歯類を使用した脳梗塞モデルが開発され、新医療技術開発へ向けた研究が数多く進められている。しかしながら、げっ歯類とヒトを含む霊長類では梗塞巣に対する反応がまったく異なることが明らかとなった。そのため、ヒトへの応用を考えた場合、霊長類でのモデル動物の作成および、その霊長類脳梗塞モデルを用いたトランスレーショナル研究の重要性は明白である。<br> 一方、現在、各種疾患における病態プロテオーム解析は、世界の各地において急ピッチで推進されている。この病態プロテオーム解析は、疾患発症のメカニズムや治療標的・臨床マーカーを明らかにするだけでなく、治療の安全性、有効性を評価することに対しても、大変有用である。<br>そこで、われわれは、脳梗塞関連候補タンパク質を検出することを目的として、脳構造・遺伝子・タンパク質などの生物情報が多く、既に広く医科学実験に用いられている代表的な非ヒト霊長類実験動物であるカニクイザルを用いて、大脳新皮質微小脳梗塞モデルを作成し、脳梗塞病態プロテオーム解析を試みた。カニクイザル大脳新皮質微小梗塞モデルの、脳梗塞巣周辺部位と、その反対側における発現タンパク質のプロファイリングの違いについて、2種類の異なる手法(ショットガン法、および、ウエスタンブロット法)を用いてプロテオーム解析を行ったので、それぞれの方法で得られた結果を比較検討しながら、その詳細について報告する予定である。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205634510976
  • NII論文ID
    130006996880
  • DOI
    10.14907/primate.22.0.95.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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