近江八幡の水郷景観におけるヨシ原の変遷とその文化的景観としての保全策

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タイトル別名
  • Transformation processes and conservation strategies of reed beds in the "Suigo" landscape in Omihachiman, Japan

抄録

本研究では,文化的景観の保全に関する基礎的な知見を得ることを目的に,わが国で初めて重要文化的景観地域に選定された滋賀県「近江八幡の水郷景観」を対象に,大正期から現在にいたるまでのヨシ原を中心とした地域の土地利用の変化とその要因の解明を行った。結果,対象地域内に現存するヨシ原は,当初から継続的にヨシ産業のもとに利用され,ヨシ原として存在し続けてきたものと,近年になって,水田の耕作放棄などの結果,ヨシ原に変化したものなどが存在することが明らかになった。また,かつては漁業や日常生活において利用されていたヨシ原は,その後の干拓や圃場整備などの土地改良事業により失われたことが明らかになった。本研究を通じ,表面的にはヨシ原の総面積に変化は少ないものの,その分布や質,利用のあり方は大きく変化してきたことが明らかになった。

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