中国黄土高原におけるニセアカシア植栽林とリョウトウナラ天然生林の物質動態

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タイトル別名
  • Comparative study of nutrient dynamics between Quercus natural forest and Robinia plantation near Yanan in the loess plateau, China

抄録

中国の黄土高原においては現在、緑化木として外来樹種のニセアカシアが多く植林されている。しかし、近年、乾燥による森林限界付近ではニセアカシア林の土壌中に乾燥層が発達し、枯死や先枯れが目立ってきており、外来樹種による単純一斉造林の問題点が指摘されつつある。これまで、半乾燥地において、水分利用特性について明らかにした研究は、比較的多いが、物質循環様式を明らかにした研究は少ない。そこで本研究では、黄土高原の延安付近にわずかに残存している潜在植生であるリョウトウナラ天然生林とニセアカシア林において、物質循環様式の違いを、窒素循環量と有機物分解過程に着目して、明らかにすることを目的とした。ニセアカシアは窒素固定することが出来るため、ニセアカシア林ではナラ林に比べて、窒素の蓄積量が大きくなり、またリターの分解速度も早いため、窒素循環量も大きくなることが期待される。本研究においても、リター量はリョウトウナラ林で多かったものの、リター中の窒素濃度はニセアカシアで高く、その結果年間に土壌に還元される窒素量はニセアカシア林で大きくなった。これらの結果を含め、本研究では、物質循環の側面から見た植栽木のメリット・デメリットを議論する。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680665956480
  • NII論文ID
    130007010102
  • DOI
    10.14848/esj.esj52.0.279.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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