衛星リモートセンシングによるアムール川流域の土地被覆変化の解析

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タイトル別名
  • Analyses of Land Cover Changes in Amur River Basin by Satellite Remote Sensing
  • Hierarchical analyses by using global and regional scale satellite imageries
  • 異なる空間分解能の衛星データによる階層的解析

抄録

オホーツク海の高い生産性はアムール川が運ぶ鉄によって維持されている可能性がある。しかし、近年のアムール川流域内の土地利用/土地被覆変化(LUCC)が川を通じて海に供給される鉄の現象を引き起こす可能性が懸念されている。よって流域のLUCCをモニターすることによって重要な変化地域を抽出し、人と自然の関係を良好に保つ努力をしなければならない。本論では最初にグローバルスケールの時系列衛星データを用いて流域全体のスケールで土地被覆変化を抽出する。この作業により重要な変化地域を抽出したが、その中から三江平原を取り上げ、詳細なLUCCについて解析する。  その結果、下記の事項が明らかとなった。 ・アムール川流域では人間要因と気候要因によるLUCCが起きている。 ・NOAA/AVHRRデータを用いた解析によるとΣNDVI(年間の植生指標積算値)の増加地域は森林であり、おそらく地球温暖化と関連した消雪時期の早期化が生育期間の伸張をもたらしたと考えられる。 ・人間要因によるLUCCとして顕著な地域は中国、松嫩平原と三江平原の農業地帯、およびロシアの沿海州、シホテアリン山脈のおそらく伐採と山火事が原因と思われる変化であった。 ・衛星データ、統計データ、地理情報の解析によると三江平原では20世紀の後半に水田面積が増加しており、この変化がアムール川流域への鉄の供給に影響を及ぼしている可能性がある。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205693159040
  • NII論文ID
    130007015944
  • DOI
    10.14866/ajg.2009s.0.239.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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