大学院教育におけるフィールドワークの実践

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タイトル別名
  • Practice of fieldwork in graduate school of human geography
  • A case of Univ. of Tsukuba
  • 筑波大学人文地理学・地誌学教室の事例

抄録

?T 問題の所在と報告の目的 <br> 地理学におけるフィールドワークの重要性は論をまたないが,大学院のカリキュラムにおいてフィールドワークを正規の科目として設置している大学は少ない。本発表では,前身校時代よりフィールドワークを大学院の正課教育として取り入れ,地域調査を学風としてきた筑波大学の人文地理学・地誌学教室を事例として,大学院におけるフィールドワーク教育の実践の検討を通して,フィールドワークの安全について考えてみたい。 <br> ?U 筑波大学大学院における野外実験 <br> 筑波大学人文地理学教室と地誌学教室では,それぞれ毎年一週間にわたる野外実験を実施している。両分野に所属する学生は原則として,(履修の有無にかかわらず)野外実験に参加し,報告書(『地域研究年報』,旧名『地域調査報告』,同『霞ヶ浦地域研究報告』)に論文を執筆することが要求される(図)。 2011年度の人文地理学野外実験の場合,5/29(日)~6/4(土)にかけて,茨城県日立市および北茨城市にて実施し,教員3名・指導協力者(OB/OG)3名・大学院生37名の総勢43名が参加した。参加者は7つの調査班(農業班・漁業班・都市班・工業班・観光班・港湾班・居住班)に分かれてフィールドワークを行い,夜のゼミにおいて,成果報告とディスカッションを行った。 <br>?V フィールドワークの支援体制 <br> 幸いなことに,発表者の知る限り野外実験中に深刻な事故・事件が発生したことはない。フィールドワークの安全は幸運にもよるが,事前の準備・調整と現地における支援体制の構築によるところが大きい。現地調査は博士課程在籍の大学院生が中心的な役割を担うが,フィールドの選定や事前準備,現地との連絡・調整は教員が主体となって行う。フィールドワーク時における安全がいかに確保されてきたのか,発表者らの経験を交えて当日に報告する。 *本報告は,平成23年度科研・基盤研究A(研究代表者:村山祐司)「フィールドワーク方法論の体系化-データの取得・管理・分析・流通に関する研究-」による成果の一部である。

収録刊行物

詳細情報

  • CRID
    1390001205693182848
  • NII論文ID
    130007015991
  • DOI
    10.14866/ajg.2011f.0.100025.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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