クローナル繁殖と種子繁殖がフジの空間分布に果たす役割

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タイトル別名
  • The role of clonal and seed reproduction in spatial distribution of <i>W. floribunda</i>

抄録

<p>木本性ツル植物フジは種子繁殖と林床の匍匐(クローナル繁殖)で空間分布を形成していると考えられる。しかし、これまでクローンの検出は目視などによる小スケールの範囲に限られていた。さらに、種子繁殖との役割の違いも十分に検討されていない。そこで本研究は、林分スケールにおいてクローナル繁殖及び種子繁殖がフジの空間分布に果たす役割の解明を目的とした。調査地は茨城県北部に位置する小川試験地(6ha)である。クローナル繁殖については、調査地内の樹木に巻き付くフジをサンプリングし、クローン構造を特定した。種子繁殖については、格子状に設置した1m2のコドラート内の当年生実生を4年間追跡調査した。クローナル繁殖は全ラメット数の72%を占め、クローンとクローンでないラメット数の割合は微地形区分によって異なった。一方、攪乱の指標の樹冠高やスズタケの有無には影響を受けなかった。当年生実生の発生数は最近接結実木との距離、生存率は開空度、スズタケの有無や斜度に影響された。種子繁殖では明るくてスズタケの無い場所が求められる一方、クローナル繁殖は地形に制限されるものの種子繁殖では生育に不利な環境にも分布できることが示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680685329024
  • NII論文ID
    130007020629
  • DOI
    10.11519/jfsc.128.0_279
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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