地域住民の認識から見る奄美群島の価値

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タイトル別名
  • The value of Amami islands from the perspectives of the local residents

抄録

<p>奄美群島は2017年に我が国34番目の国立公園として登録されることが決定した。自然保護地域への登録は生物多様性保全を進める上で有効な対策の一つであり、今後効果的に保全が進むことが期待されている。一方、既往研究では生物多様性保全だけを目的に据え、関係者の認識を蔑ろにした自然保護地域への登録は結果として自然環境の悪化を引き起こす危険性が指摘されている。本研究の目的は奄美群島の国立公園および世界自然遺産登録に先立ち、地域住民の自然環境に対する認識や価値観、管理への要望を明らかにすることである。奄美群島の住民を対象とした郵送アンケート調査を2016年に実施した。分析の結果、自然環境に対する住民の認識は島ごとに違いが見られた。例えば、奄美大島や徳之島の住民の多くは森林や山といった景観を重要視していた一方、与論島の住民はサンゴ礁に対して重きを置いていた。また、自然の利用状況や今後の保全意識についても島ごとに異なっており、実際の自然環境が住民の行動や意識に影響していることが示唆された。今後、これらの認識の違いとその背景を広く関係者間で共有しながら自然保護地域のあり方を議論していくことが肝要である。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205709422848
  • NII論文ID
    130007021091
  • DOI
    10.11519/jfsc.128.0_796
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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