体外成熟させたSOD1遺伝子欠損マウス卵でみられる受精障害の解析
書誌事項
- タイトル別名
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- Investigation of impairment in fertilization of <I>in vitro</I> matured oocytes from SOD1 deficient mice
抄録
【目的】我々はCu,Zn-superoxide dismutase(SOD1)遺伝子欠損(KO)マウス卵を20%O2下で体外成熟-受精-培養(IVMFC)した場合卵割がみられないこと、この発生障害にミトコンドリア機能障害がみられないことを報告している(第102回大会)。今回は、SOD1KO由来IVMFC卵の発生停止ステージを詳細に調べるとともに、成熟培地への還元剤や抗酸化物質の添加あるいは低酸素培養による影響、第二減数分裂中期(M II期)で発現しているキナーゼやホスファターゼの発現についても調べた。【方法】未成熟ICR系 SOD1KOおよび野生型(WT)雌マウスへ過排卵処理し、得られた卵核胞期卵をIVM後、同系WT精子とIVFし、6、12および24時間後にα-tubulin抗体を用いた蛍光免疫染色を行い、精子進入率、核相ステージ、卵割率を評価した。また成熟培地へのβ-Mercaptoethanol(β-ME)およびGlutathione ethyl ester(GSH-OEt)の添加や低酸素培養も行った。さらに、ウェスタンブロット解析によりM II期で発現しているcdc2キナーゼやホスファターゼ、サイクリンB1の発現を調べた。【結果および考察】SOD1KO 由来IVM卵の媒精12時間後の前核形成率はWT卵と比較して著しく低かった(WT: 100% vs. SDO1KO: 13.5%)。SOD1KO卵の前核形成率は、成熟培地への100 µM β-MEおよび3mM GSH-OEtの添加により上昇したが、卵割はみられなかった。低酸素培養系で僅かに卵割がみられた。SOD1KO由来IVMF卵内のスーパーオキシドは、WT卵と比較し有意に高かった(WT: 100% vs. SDO1KO: 194%)。媒精6時間後のSOD1KO卵とWT卵のサイクリンB1の発現に大きな違いはみられなかった。以上から、20%O2下のSOD1KO由来IVMF卵における受精障害は、卵成熟時の活性酸素の発生によるものであり、これは成熟培地への還元剤または抗酸化物質の添加、あるいは低酸素条件での成熟培養により解除されないことが示された。
収録刊行物
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- 日本繁殖生物学会 講演要旨集
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日本繁殖生物学会 講演要旨集 103 (0), 83-83, 2010
公益社団法人 日本繁殖生物学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205716046208
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- NII論文ID
- 130007024464
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可