UF-1000iによる尿中赤血球形態情報の検証―尿沈渣検査法・臨床診断との比較―

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  • Validation of accuracy of red blood cell information from UF-1000i, an automated urine testing instrument: Usefulness of such information in microscopy examination and clinical diagnosis

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抄録

<p>慢性腎臓病(CKD)や泌尿器系疾患の診療には,ファーストスクリーニングとして尿沈渣検査は不可欠であり,特に血尿を伴う疾患では,その出血部位が糸球体由来かそれ以外かを推定するために,尿中赤血球形態を詳細に鑑別報告することが求められるようになった。今回,フローサイトメトリー法を用いた全自動尿中有形成分分析装置UF-1000i(シスメックス社)による赤血球形態情報RBCinformation(以下,RBCinfo)のあった631件を対象に,RBCinfoの尿沈渣検査法(以下,目視鏡検)との整合性と,出血部位推定の精度を確認することを目的に,臨床診断とその背景を調査した。RBCinfoと目視鏡検の糸球体型赤血球(G-RBC)との一致率は,Dysmorphic?(Dys)が49.1%,Mixed?(Mix)39.3%,Isomorphic?(Iso)1.2%だった。また糸球体性疾患の臨床診断が付いた群は,Dys:29.3%,Mix:9.9%,Iso:3.9%に含まれ,Dys判定群でG-RBCの検出率および糸球体性疾患含有率はいずれも有意に高かった。RBCinfoは,目視鏡検にて赤血球を糸球体由来と判定するには有力な付加情報として有用である。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 65 (4), 419-423, 2016

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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