針葉樹2種の苗木において根切りと水ストレスが通水に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Influences of root pruning and water stress on water conduction in seedlings of two conifers

抄録

<p>苗木の林地への植栽時には、植栽時の根切りや植栽前後の生育環境の相違により個体は急激な環境変化にさらされる。植栽後の成長期における個体の生死を決定づける指標に耐乾性が挙げられ、種毎の脆弱性曲線と乾燥ストレスに伴う木部通水阻害域の可視化、根切りによる透水性の低下を総合的に評価し、耐乾性の詳細を明らかにする必要がある。そこでスギとクロマツに着目し、脆弱性曲線の作成とポット苗の耐乾性試験、根切り処理の透水性への影響を検討した。脆弱性曲線から、スギは負圧の増加に伴い徐々に透水性の低下が認められたが、クロマツは–4MPa以下で急激に低下した。主幹のMRI画像から、スギは掘り取りが原因であると考えられる通水阻害が髄側の木部で認められ、クロマツでは認められなかった。渇水ストレス下ではいずれの種も、通水阻害域は主に髄側の木部から拡大した。2種ともすべての根を切断して植栽(100%損失)しても枯死は認められなかった。根の100%損失のスギ個体では、掘り取りを行わなかった個体に比べ透水性が約65%低下し、根の75%損失個体とほとんど差はなかった。一方、クロマツでは根の100%損失個体で透水性の約70%低下が認められた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288035256064
  • NII論文ID
    130007375644
  • DOI
    10.11519/jfsc.129.0_117
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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