都市化による土壌酸性の中和が土壌有機物の分解・無機化特性に及ぼす影響

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タイトル別名
  • The effects of neutralization of soil acid by urbanization on the characteristics of soil organic matter decomposition

抄録

<p> 発表者らは、森林周辺環境の都市化に伴い、森林表層土壌の酸が中和されることを明らかにした。都市化に伴う森林土壌の酸の中和が生態系内の物質循環に及ぼす影響を解明する一環として、都市化の進行程度の異なる地域間で、森林土壌での有機物の分解・無機化特性を比較した。非都市化地域の森林として埼玉県秩父市内の東京大学秩父演習林を、都市化地域の森林として千葉県松戸市内と市川市内の公園の樹林地を選定した。各森林内で表層土壌を採取し、室内培養により二酸化炭素放出速度の変化を経時的に測定し、反応速度論的解析により無機化されうる炭素量を求め、土壌中の全炭素量に占める無機化されうる炭素量の割合(C0(%))を算出した。また、それぞれの森林の表層土壌中に市販のティーバッグを埋設し、ティーバッグ内容物の変化量に基づき有機物分解特性を示すTea Bag Index(初期分解速度:k, 長期蓄積能:S)を算出した。非都市化地域のC0(%)は都市化地域よりも高かったが、酸を中和したところ減少した。また、都市化地域のSは非都市化地域よりも低くなった。すなわち、土壌に供給された有機物の分解後の残存率は都市化により低くなった。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288033633152
  • NII論文ID
    130007375725
  • DOI
    10.11519/jfsc.129.0_135
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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