海岸・内地クロマツ林に由来する<i>Cenococcum geophilum</i>菌株の酵素活性

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タイトル別名
  • Comparison of enzymatic activities of <i>Cenococcum geophilum</i> isolates derived from coastal and inland pine forest.

抄録

<p>外生菌根菌は土壌中の養分を獲得するために様々な細胞外酵素を分泌するが,その種類や活性の程度は菌種間のみならず,生息環境の異なる菌株間でも異なる.Cenococcum geophilumは世界中の森林生態系に普遍的に分布する外生菌根菌の一種である.本種は水分やpHの変化などの環境ストレスへの耐性が高く,日本では海岸クロマツ林で優占するが,養分獲得における働きは不明である.そこで本研究ではC. geophilumの養分獲得機能とその菌株間における差異を明らかにするため,異なる生息環境に由来する本種の細胞外酵素活性を調べた.菌株は,和歌山県の煙樹ヶ浜(以下,海岸林)と,和歌山県林業試験場の採種園(以下,内地林)の2か所のクロマツ林に由来する菌根と菌核から分離した.pHを4.5および6.0に調整したMMN寒天培地上に2ヶ月間,暗条件下で菌糸を培養し,菌叢周辺から切り取った培地について,窒素やリン,炭素の獲得に関わる8種類の細胞外酵素の活性を測定した.海岸林と内地林由来の菌株から得られた酵素活性のデータにもとづき,生息環境の違いが本種の栄養獲得機能に及ぼす影響について議論する.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288034738304
  • NII論文ID
    130007376108
  • DOI
    10.11519/jfsc.129.0_455
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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