慢性腎臓病患者における心電図所見と長期予後との関連

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Relationship between electrocardiographic findings and long-term prognosis in patients with chronic kidney disease

この論文をさがす

抄録

<p>慢性腎臓病(CKD)患者は末期腎不全へ進展するリスクが高いことに加え,心血管疾患の発症・死亡のリスクが高い。CKD患者の予後因子に関する研究はこれまで数多くなされてきたが,心電図所見との関連を検討した研究は少ない。この研究の目的はCKD患者の予後因子を心電図所見から明らかにすることである。2009年4月から2010年3月までの12ヶ月間に当院で12誘導心電図検査と血液検査を同時期に行った16,424患者のうち,心房細動および心室性不整脈を認めた3,509患者を除き,推定糸球体濾過量が60 mL/min/1.73 m2未満であった3,325患者を対象とした。年齢,性,CKDの重症度,心電図所見(心拍数,PR間隔,QRS間隔,QTc間隔,左室肥大)と,心血管疾患・非心血管疾患による死亡と関連する因子を単変量,多変量解析で検討した。心拍数,QTc間隔,PR間隔,QRS間隔は心血管疾患死亡・非心血管疾患死亡と有意に関連した。CKD患者において心電図での心拍数 > 100 bpm,QTc間隔 ≥ 440は心血管疾患/非心血管疾患を問わず,年齢,性,CKDの重症度とは独立した長期予後不良指標である。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 67 (3), 281-288, 2018-05-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ