胆石症が誘因と考えられたアナフィラクトイド紫斑病の 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Anaphylactoid Purpura Associated with Gallstones
  • 症例 胆石症が誘因と考えられたアナフィラクトイド紫斑病の1例
  • ショウレイ タンセキショウ ガ ユウイン ト カンガエラレタ アナフィラクトイド シハンビョウ ノ 1レイ

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抄録

<p>69 歳,女性。2015 年 3 月上旬より発熱,嘔吐,血尿を認め,その後,両下肢に紫斑が出現し当科を受診した。血液検査で胆道系酵素値と IgA 値の著明な上昇,腹部 CT で胆囊,総胆管に結石を認めた。内視鏡的逆行性胆道ドレナージ(endoscopic retrograde biliary drainage:以下 ERBD)でステント留置後,紫斑と胆道系酵素値は改善した。病理組織検査で真皮上層の血管周囲に leukocytoclastic vasculitis の像と免疫組織化学染色で血管壁周囲に IgA の沈着を認めた。その後,再び両下肢に紫斑,胆道系酵素値の上昇を認め再度 ERBD を行ったが,その際ステントの脱落を認めたため再留置を行った。その後,速やかに紫斑と胆道系酵素値の改善を認めた。胆石症や胆囊炎にアナフィラクトイド紫斑病を合併した症例は過去にも報告がある。自験例では 2 度に亘り胆石症の治療後に紫斑の改善を認め,胆石症の存在がアナフィラクトイド紫斑病の発症に関与していることが考えられた。成人のアナフィラクトイド紫斑病を診察した際は胆石症も疑って検査を行うことが重要と考えられた。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 80 (1), 20-24, 2018-02-01

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (1)*注記

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