肺化膿症・眼内炎を併発した<i>K.pneumoniae</i>による肝膿瘍に対して肝切除により感染制御を得た胆管細胞癌の1例

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  • Hepatectomy for liver abscess with cholangiocarcinoma caused by <i>Klebsiella pneumoniae</i> presenting with septic thrombophlebitis, lung abscess and endophthalmitis: Case report

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抄録

<p>69歳男性。発熱,左視力低下,感冒症状を主訴に内科受診した。白血球数12,200/μL,血小板数3.9万/mL,CRP 21.4mg/dLと炎症反応・敗血症性播種性血管内凝固症候群(以下,DIC)の所見を認めた。CTで肝S8に径8cmの多房性膿瘍と肺炎を認め,眼科で左眼内炎を指摘された。血液・痰培養でK. pneumoniaeが検出され細菌性肝膿瘍・他臓器播種と診断した。外科紹介されたがDICの状態のため内科治療を優先し,抗菌薬を開始した。発熱は持続し眼内炎の増悪に対し眼内手術を要するとともに新規の肺膿瘍を認めた。第9病日に経皮的経肝膿瘍ドレナージを行うも液体成分に乏しく効果不十分で再度外科紹介された。CT上肝静脈血栓を認め同部から全身へ血行性に感染が波及したと考え,第12病日に肝S8亜区域切除術を行った。術後はすみやかに解熱・炎症反応の改善を認め,肺炎も軽快した。肝切除が全身の感染波及の制御に寄与したと考えられた。切除標本中枢側に径12mm大の胆管細胞癌を認め,胆汁うっ滞による膿瘍形成が示唆された。</p>

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