開口障害をきたした術後性上顎嚢胞

  • 進 保朗
    久留米大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座 社会保険田川病院耳鼻咽喉科
  • 御厨 剛史
    社会医療法人天神会古賀病院21耳鼻咽喉科
  • 谷川 健
    公立八女総合病院病理診断科
  • 梅野 博仁
    久留米大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Postoperative Maxillary Cyst with Trismus: A Case Report

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抄録

<p>術後性副鼻腔嚢胞の症状は痛みを伴う頬部症状が大半を占めるが,嚢胞の進展方向によって眼症状,鼻閉等多彩な症状をきたす。今回我々は,嚢胞が外側翼突筋を圧排し開口障害をきたしたと考えられた症例を経験したので報告する。症例は72歳男性で,開口障害を主訴に来院した。開口は約15mmで,単純CT検査で左上顎部に約40×50mmの嚢胞性病変を認めた。同日局所麻酔下に緊急手術を施行した。手術は経鼻内視鏡下に施行した。可及的に開窓後,開窓部位の狭窄や閉塞を予防する目的で,下鼻道鼻腔底を茎とする有茎の粘骨膜弁を用いて開窓部位を覆った。術直後にはあまり改善は認めなかったが,手術3日後より徐々に開口障害は改善し始め,術後1週間後には日常生活には支障ない程度に改善した。術後3か月の鼻内およびCT 所見では嚢胞の再発はなく開口障害も約50mmに改善し経過は良好である。</p>

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参考文献 (1)*注記

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