慢性硬膜下血腫により舞踏運動を発症した86歳女性例

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  • Chorea due to chronic subdural hematoma

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抄録

<p>症例は86歳女性.約2週間の経過で全身の舞踏運動を呈し,左頭頂部に慢性硬膜下血腫(chronic subdural hematoma; CSDH)を認めた.アマンタジン内服中止で舞踏運動は改善せず,穿頭術施行後,舞踏運動は約1週間で完全に消失した.既報告では,本症例のように一側の血腫で全身の舞踏運動を呈する例や,血種と同側のhemichoreaを呈する例もあり,その発症機序は不明である.CSDHによる不随意運動は稀であることから,これらの症例は大脳皮質-基底核回路に潜在的な障害を持っている可能性がある.CSDHによる舞踏運動では,背景に脳血管障害や舞踏運動に関連する薬剤歴,家族歴などがないか検索する必要があると考えられた.</p>

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