気分障害患者のm-ECT 前後における脳機能の変化

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  • Change of Cerebral Function Before and After m-ECT in Patients with Mood Disorder
  • A Preliminary NIRS Study
  • NIRS による予備的研究

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抄録

背景:近赤外線分光法(NIRS)は、気分障害の病態生理を評価するのに簡便な臨床検査方法である。修正型電気けいれん療法(m-ECT)は、重症うつ病や治療抵抗性うつ病の治療法の1 つとして用いられているが、脳機能に及ぼすm-ECT の効果についてはほとんど研究されていない。目的:我々はNIRS を用いて気分障害に対するm-ECT の治療効果を検討した。方法:倫理委員会に承認された方法に基づいて、13 例の気分障害患者がNIRS を用いてmECT 前後に おいて言語流暢性課題中の脳機能を評価した。研究内容を十分説明し、全ての被験者から書面同意を得た。先行のNIRS 研究(Takizawa et.al, 2014)に前頭葉の酸素化ヘモグロビンの平均パターンよって、6 例のうつ病パターンと7 例の躁うつ病パターンに分類された。結果: 13 例すべての被験者のうつ状態がm-ECT 後に改善された。側頭葉活性は、うつ病パターンと躁うつ病パターンの両方の患者でm-ECT 前に比べてmECT 後に有意に増加した。前頭葉活性は、躁 うつ病パターンがうつ病パターンと比較してm-ECT 後に大幅に改善された。 躁うつ病パターンでは、両側中前頭領域および左眼窩前頭領域でm-ECT 前に比べてm-ECT 後に有意に増加した。結論:我々の結果は、m-ECT 後のうつ状態の改善に伴って、NIRS による言語流暢性課題中の側頭葉活性は、うつ病と躁うつ病パターンの両方の患者で増加するが、前頭葉活性は躁うつ病パターンの患者のみで増加することが示唆された。

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