高度の血管内溶血を呈した劇症型<i>Clostridium perfringens</i>感染症の1症例

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  • Fatal fulminant infection with <i>Clostridium perfringens</i>

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抄録

<p>60歳代,男性。糖尿病にて内服治療中。当院受診2日前より心窩部痛出現し近医を受診,鎮痛剤を処方された。その後も症状の改善なく,全身状態不良で当院に紹介された。来院時,赤色尿を呈し,血液検査で貧血,凝固異常,T-Bil・AST・LDHの上昇を認め,高度な溶血が示唆された。腹部CT所見よりガス産生肝膿瘍と診断された。輸液,輸血,抗菌薬投与,外科的ドレナージなどの集学的治療を行ったが,溶血多臓器不全は急速に進行し,当院搬送から約12時間で永眠された。血液培養と腹水の培養からClostridium perfringensが検出された。本菌による敗血症では激しい溶血を併発することがあり,一旦溶血を発症した場合の致死率は極めて高く早期診断が重要である。早期診断・治療のためには,ガス産生肝膿瘍が疑われた早い時点で検体からグラム染色を実施し,グラム陽性桿菌を証明することが有用であると思われた。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 67 (4), 569-574, 2018-07-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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