ポリ塩化ビフェニル曝露によるイヌ・ネコの甲状腺ホルモン恒常性への影響
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- 高口 倖暉
- 愛媛大学 沿岸環境科学研究センター
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- 野見山 桂
- 愛媛大学 沿岸環境科学研究センター
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- 西川 博之
- 愛媛大学 沿岸環境科学研究センター
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- 水川 葉月
- 北海道大学大学院 獣医学研究科 環境獣医科学講座
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- 田上 瑠美
- 愛媛大学 沿岸環境科学研究センター
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- 草木 桃子
- 愛媛大学 沿岸環境科学研究センター
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- 横山 望
- 北海道大学大学院 獣医学研究科 環境獣医科学講座
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- 市居 修
- 北海道大学大学院 獣医学研究科 環境獣医科学講座
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- 滝口 満喜
- 愛媛大学 沿岸環境科学研究センター
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- 中山 翔太
- 北海道大学大学院 獣医学研究科 環境獣医科学講座
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- 池中 良徳
- 北海道大学大学院 獣医学研究科 環境獣医科学講座
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- 石塚 真由美
- 北海道大学大学院 獣医学研究科 環境獣医科学講座
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- 岩田 久人
- 愛媛大学 沿岸環境科学研究センター
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- 国末 達也
- 愛媛大学 沿岸環境科学研究センター
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- 田辺 信介
- 愛媛大学 沿岸環境科学研究センター
書誌事項
- タイトル別名
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- Effects of PCB-exposure on thyroid hormone homeostasis in dog (<i>canis lupus familiaris</i>) and cat (<i>felis catus</i>)
抄録
<p> 近年、ペット動物に対するポリ塩化ビフェニル(PCBs)および水酸化代謝物(OH-PCBs)の曝露による甲状腺ホルモン(THs)の恒常性への影響が注目されている。本研究ではPCBs曝露がペット動物のTHs恒常性に及ぼす影響を明らかにするため、イヌ・ネコのPCBs投与試験を実施し、PCBs曝露に伴う血清中THs濃度の変化を解析した。</p><p> PCBs投与後から5日間、継続的に血清を採取し、THs濃度の変化を解析した結果、ネコ血清中THs濃度は、総THs、遊離型THsともに対照群と投与群の間に有意な変化は認められなかった。一方、イヌ血清中総THs濃度は投与群において、総L-サイロキシン(T4)と総3,5,3’-トリヨード-L-サイロニン(T3)の減少傾向がみられ、総PCBs濃度は総T4、総T3濃度と有意な負の相関を示した(p < 0.01)。一方、遊離型T4、遊離型T3濃度では、対照群と投与群の間に経時的な変化は認められなかったが、曝露後48、96時間目で有意に増加した(p < 0.05)。加えて、遊離型T4濃度は総OH-PCBs濃度と正の相関を示し(p < 0.01)、異性体別ではT4様構造の高塩素化OH-PCBsで同様の傾向が認められた。上記の結果および先行研究から、PCBs曝露によるイヌ血清中THsへの影響を推察した。PCBsがT4様構造のOH-PCBsへ代謝されてTHs輸送タンパクに競合結合し、結合できない遊離型T4が血中に増加することで、THsの臓器・組織への取り込み量が増加したと予測される。その結果、イヌ肝臓中のTHs濃度は増加し、PCBs曝露により肝臓中のAhR・CARが過剰に誘導されることで、UGTおよびSULTが誘導され、THsの抱合化を促進することで体外排泄量が増加し、血清中総T4、T3が減少したものと推察された。</p>
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 45.1 (0), P-72-, 2018
日本毒性学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282763030050432
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- NII論文ID
- 130007432328
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可