肺癌術後5年目に気管支断端縫合糸及びプレジェットを喀出した1例

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タイトル別名
  • A Case of Expectoration of a Suture and Pledget from the Bronchial Stump Five Years After Lung Cancer Surgery

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抄録

<p>背景.呼吸器外科の術後遠隔期に縫合材料が喀出された報告は非常に稀である.症例.85歳,男性.2010年に肺腺癌にて右肺下葉切除を受けた後,2014年の胸部CTで,気管支断端に内腔に向かって突出する腫瘤を指摘された.断端再発の疑いで気管支鏡下に生検を2回施行したが,肉芽腫との診断であった.2016年にテフロン製プレジェットが付着した非吸収性縫合糸を喀出した.再度気管支鏡検査を行い,以前より腫大した腫瘤から縫合糸の一部が確認されたが,結紮部分が肉芽組織内にあり除去できなかった.1カ月後,閉塞性肺炎を発症し,肺炎の治療後に気管支鏡下でargon plasma coagulation(APC)を用いて,腫瘤内に残存する縫合材料を除去した.結語.気管支断端に非吸収性縫合材料を使用する場合には,稀ではあるが遠隔期に異物反応による肉芽形成や気道内に排出されるような合併症が生じる可能性がある.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 40 (4), 346-350, 2018-07-25

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

被引用文献 (1)*注記

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