捻転にて発症した副肝葉の1小児例

書誌事項

タイトル別名
  • Case Report: Torsion of an Accessory Liver Lobe in a 6-Year-Old Girl
  • 症例報告 捻転にて発症した副肝葉の1小児例
  • ショウレイ ホウコク ネンテン ニテ ハッショウ シタ フクカン ヨウ ノ 1 ショウニレイ

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抄録

<p>症例は6歳女児.心窩部痛と嘔吐にて発症し,第2病日に卵巣囊腫茎捻転の診断で腹腔鏡下に手術を行ったが,右卵巣に囊腫はあるも捻転所見はなかった.術後に微熱と軽度な心窩部痛があったため腹部超音波検査と造影CT検査の再検討を行ったところ,肝門部に腫瘤を認め,消化管重複症や腸間膜リンパ管腫を疑って第37病日に再手術を行った.術中所見では,肝管左右分岐の頭側に肝実質にもぐり込むような径15 mmの腫瘤を認め,これを摘出した.病理所見は虚血壊死した肝組織であり,副肝葉捻転と診断した.術後経過は良好で,術後8日目に退院となった.肝臓の発生異常である副肝葉は,画像検査では特異的な所見がないため診断困難であり,ほとんどが術中所見もしくは術後の病理検査で確定診断される.捻転にて発症することは稀と考えられるが,急性腹症の鑑別として考慮すべき疾患と考えられた.</p>

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