diversion colitisをきたした小腸型クローン病の1例

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タイトル別名
  • A Case of Small Intestinal Type Crohn's Disease with Diversion Colitis

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抄録

症例は46歳男性.32歳時小腸型クローン病と診断され,以後主に内科にてフォローされていた.経過中,他院外科にて計3回開腹手術を施行され,受診時には双孔式回腸人工肛門を造設された状態であった.腹痛増悪と肛門からの粘血便が徐々に増量し紹介となった.回腸人工肛門から口側腸管はほぼ粘膜治癒が得られていたが,肛門側腸管は高度狭窄と膿付着を伴う広範な粘膜脱落がみられた.以上よりdiversion colitis(以下DC)と診断し,残存大腸全摘術および回腸人工肛門再造設術を施行した.術後腹痛などの症状は消失し,軽快退院された.有症状DCは比較的稀であるが,fecal diversionによって残存腸管があるクローン病で腹痛などを認めた時には,原病の病勢と共にDCの可能性も考えて診断しなければならない.長期経過例での癌化の問題もあるため,残存腸管切除術も考慮すべきである.

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