胸腔ドレーンによる医原性肺損傷の1例

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タイトル別名
  • Right upper lobectomy for iatrogenic lung injury caused by chest tube

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抄録

<p>症例は71歳男性.前医で右気胸に対して胸腔ドレナージが施行されていた.気漏が停止したと判断され,ドレーンが抜去された.しかし,ドレーン抜去後に気胸が再燃,皮下気腫も出現したため,再度,前胸部より28 Frトロッカーカテーテルを留置された.直後より著明に皮下気腫が増悪し,呼吸苦が出現した.CTでドレーンが右上葉内へ刺入されており,当院へ搬送された.来院後より呼吸不全であり,緊急手術となった.術中高度な気腫性変化を認め,肺門部へ向かって10 cmにわたりドレーンが刺さっていたため,肺の温存は不可能と判断し,右上葉切除となった.術後肺炎を起こしたが,保存的に加療,第32病日に在宅酸素を導入し,自宅退院となった.胸腔ドレーン挿入による医原性気胸は多くの場合,末梢の肺実質の損傷のみで保存的に加療することが可能であるが,肺葉切除を要する症例は稀であるため,文献的考察を交えて報告する.</p>

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