マウス精子の凍結感受性に関わる表現型と遺伝子座の解析
書誌事項
- タイトル別名
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- Analysis of phenotypes and QTLs associated with the susceptibility of mouse spermatozoa to cryopreservation
抄録
<p>【目的】マウス精子の凍結保存への感受性は遺伝的背景により大きく異なるが,それらを支配する遺伝子やそのメカニズムは解明できていない。我々は感受性の差が大きい2系統とそのリコンビナント近交系(RI)を用いて表現型と量的形質遺伝子座(QTL)の解析により,凍結保存感受性に関わるゲノム領域,更には責任遺伝子の探索を行った。【方法】マウス:C57BL/6J(B6),DBA/2J(D2),RIの8系統の雄とB6雌を用いて新鮮及び凍結精子における受精率,精子運動性,受精能獲得率からQTLの検出を試みた。体外受精:新鮮及び18%ラフィノース+3%スキムミルク水溶液で凍結した精子をBSA-HTF液で1時間前培養後に,B6卵子の入ったBSA-HTF液小滴内に導入して媒精を行った。精子運動性解析:前培養後の精子を用いて,解析装置(IVOS TOX)により9項目のパラメーターについて解析を行った。受精能獲得の評価:Chlortetracycline染色によりカルシウムイオンの取り込みを指標として行った。QTL解析:表現型毎に各系統の成績をテネシー大学WebQTLソフトウェア(www.genenetwork.org)へ入力して各QTLを検出した。【結果】B6凍結精子の受精率,精子の運動速度,受精能獲得率はD2より有意に低く,凍結保存感受性の系統差が認められた。RI各系統を含む凍結精子と新鮮精子の受精率の比(相対受精率)と受精能獲得率との間に強い相関(r=0.75)が認められた。相対受精率から2つ(1,11番染色体),凍結精子の運動速度から3つ(12,13,17番),受精能獲得率から2つ(6,11番)のQTLが検出された。更にweb上での精巣における発現の有無とアミノ酸配列の多型検索により,相対受精率のQTLからAbl2とNlrp3が候補遺伝子として検出された。これらの情報は,今後の精子凍結の技術改善および精子の生理学的な特性解析に役立つものと期待される。</p>
収録刊行物
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- 日本繁殖生物学会 講演要旨集
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日本繁殖生物学会 講演要旨集 111 (0), P-52-P-52, 2018
公益社団法人 日本繁殖生物学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390564238025002880
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- NII論文ID
- 130007486555
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可