小児くも膜囊胞の自然歴と手術適応・術式の選択

• 君和田 友美

  宮城県立こども病院脳神経外科

• 林 俊哲

  仙台市立病院脳神経外科

• 白根 礼造

  宮城県立こども病院脳神経外科

• 冨永 悌二

  東北大学大学院神経外科学分野

書誌事項

タイトル別名

• Natural History and Treatment Strategy for Intracranial Arachnoid Cysts in Children

抄録

 小児くも膜囊胞の自然歴と治療方針に関して概説した. 自然歴では, 囊胞の自然増大は4歳以上ではまれであり, 中頭蓋窩および円蓋部囊胞においては, 5cm以上の囊胞と頭部外傷歴は囊胞破裂の危険因子となるが, 破裂率は高くないため運動制限は推奨しない. 術式選択は症例ごとに検討の必要があるが, 四丘体部囊胞では生後6カ月未満児の神経内視鏡手術は, 再閉塞率・再手術率が高いため注意を要する. 中頭蓋窩囊胞では, 低年齢, 頭囲拡大, 囊胞拡大を認める症例では, 開窓術後に水頭症が顕在化することがある. 破裂症候性例へは, 穿頭ドレナージを先行し, 無効例や再発例に開窓術・被膜切除術を選択してもよい. 現時点で, 症候例への手術適応に異論はないが, 無症候例に対しては (無症候をどう定義するのかを含めて) 方針が定まっておらず, エビデンスの確立が求められる.

収録刊行物

• Japanese Journal of Neurosurgery

  Japanese Journal of Neurosurgery 27 (9), 653-661, 2018

  日本脳神経外科コングレス

キーワード

• arachnoid cyst
• children
• natural history
• treatment
• shunt

詳細情報

• CRID: 1390001288070849024
• NII論文ID: 130007487610
• DOI: 10.7887/jcns.27.653
• ISSN: 21873100
• ISSN: 0917950X
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcns/27/9/27_653/_pdf
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2018320612
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可