陝北黄土高原における農業生産構造の変化が化学肥料・農薬使用量の増加に及ぼす影響

DOI Web Site 参考文献13件 オープンアクセス
  • 原 裕太
    京都大学大学院地球環境学舎地球環境学専攻博士後期課程
  • 西前 出
    京都大学大学院地球環境学堂准教授

書誌事項

タイトル別名
  • Impact of the increasing application of chemical fertilizers and agricultural chemicals on farmland due to the agricultural production structural change on the northern Shaanxi Loess Plateau

抄録

<p>黄土高原では近年,化学肥料と農薬の過度な施与による土壌,水質汚染が顕在化している.この間,従来の農業生産構造は,農村振興や土地劣化対策によって変容を余儀なくされており,化学的環境負荷の増加と共にその関連性を包括的にみる必要がある.本稿では陝北地域を対象に,重回帰モデルを用いて,化学肥料および農薬使用の地域間,年度間の差を説明する因子を抽出した.その結果,多くの養分量を必要とするリンゴ栽培の拡大に加えて,加工・換金を主目的とするジャガイモやトウモロコシの栽培面積と頻度の増加,土壌肥沃度の維持・向上に有用な家畜糞の減少,強いアレロパシー効果を有し雑草の抑制が期待されるアワやヒマワリ等の栽培縮小が,化学肥料,農薬の使用促進に強く寄与してきたことが示された.</p>

収録刊行物

  • E-journal GEO

    E-journal GEO 13 (2), 511-533, 2018

    公益社団法人 日本地理学会

参考文献 (13)*注記

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