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  • 第119回日本耳鼻咽喉科学会総会ランチョンセミナー 嗅覚検査の動向 : 基準嗅力検査から分子イメージングまで
  • ダイ119カイ ニホン ジビ インコウ カガクカイ ソウカイ ランチョンセミナー キュウカク ケンサ ノ ドウコウ : キジュンキュウリョク ケンサ カラ ブンシ イメージング マデ
  • 基準嗅力検査から分子イメージングまで

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抄録

<p> 認知症における嗅覚障害の研究の進展と共に, 国内外で嗅覚検査の重要性が再認識されてきている. 一方で, T & T オルファクトメーターによる基準嗅力検査は限られた施設で行われており, 主には OSIT-J やオープンエッセンスなどの嗅覚同定検査が神経内科も含めて広く研究で用いられている. 自験例では T & T オルファクトメーター付属の脱臭装置のほかに, 市販脱臭装置を併用することで, 市中病院でも耳鼻咽喉科外来の一角で検査が行える. 海外の嗅覚検査は保険収載されていないうえに, 日本人にはなじみのないにおいが含まれている. においの感じ方は文化的背景や遺伝的背景の差異に影響を受けるため, 嗅覚検査の施行に当たってはその点を考慮すべきである. また加齢の変化も考慮する必要があり, 特に嗅覚障害のスクリーニングにおいては加齢変化を受けにくい嗅素の選定が重要である.</p><p></p><p> パーキンソン病におけるドーパミントランスポータースキャンなど近年の分子イメージング研究と嗅覚研究との関連研究が進展している. 中枢性嗅覚障害の正確な診断には, 脳機能画像研究のさらなる発展が不可欠と考えられる. 一方で嗅神経性嗅覚障害の画像診断法としては, われわれの開発した “オルファクトシンチグラフィ” が有用である. 嗅覚障害の病態を新たな画像診断法で解明し, 患者個人に合わせた治療法の選択に結びつけることで, 嗅覚障害診療のプレシジョン・メディスン構築への貢献が期待される.</p>

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