市町村合併を経験した保健師の保健活動に対する認識

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  • シチョウソン ガッペイ オ ケイケン シタ ホケンシ ノ ホケン カツドウ ニ タイスル ニンシキ

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抄録

<p>目的 本研究は,市町村合併を経験した保健師が,合併前の保健活動と比較し,現状の保健活動をどのように認識しているかを合併方式の対等,吸収する側の市町村,吸収される側の市町村に所属する保健師別に把握することを目的とした。</p><p>方法 2009年8月,愛知県,岐阜県,三重県内で調査協力が得られた25市町村の合併を経験した保健師を対象に,郵送法による自記式質問紙調査を行った。調査内容は,基本属性,現状の保健活動に対する認識,母子保健および成人保健事業に対する認識,自由記載で構成した。分析方法は,合併方式を対等,吸収する側の市町村,吸収される側の市町村の3群に分類した。質問項目の回答を「低下した」1点から「向上した」5点の5件法とし,得点が高い値ほど保健活動が向上した,あるいは,支援回数が増えたと認識していることを示す。Kruskal-Wallis検定を行い,有意水準は5%未満とした。</p><p>結果 送付調査票は212人,回収は128人(回収率60.4%),有効回答は123人だった。合併方式は,対等69人,吸収する側の市町村32人,吸収される側の市町村22人であった。現状の保健活動に対する認識のうち,住民へのサービスの質,住民との距離感,地域把握,研修回数の項目が3群間で有意に差がみられた。母子保健では2項目,成人保健では5項目が3群間で有意に差がみられた。</p><p>結論 現状の保健活動の認識,母子保健および成人保健事業の認識について,吸収される側の市町村に所属する保健師の平均ランクは,対等,吸収する側の市町村に所属する保健師に比べ低い値であった。保健事業のうち,特に成人保健が,合併後の保健事業に反映されていないことが示唆された。</p>

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