直接経口抗凝固薬の使用が肝細胞癌の診断に有用であった1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of hepatocellular carcinoma diagnosis using direct oral anticoagulants
  • 症例報告 直接経口抗凝固薬の使用が肝細胞癌の診断に有用であった1例
  • ショウレイ ホウコク チョクセツ ケイコウ コウギョウコヤク ノ シヨウ ガ カン サイボウ ガン ノ シンダン ニ ユウヨウ デ アッタ 1レイ

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抄録

<p>症例は65歳の男性.59歳より肝細胞癌に対して肝動脈化学塞栓療法(TACE)とラジオ波焼灼療法で治療していた.62歳時に門脈血栓症に対しワルファリンカリウムの内服を開始したためprotein induced by vitamin K absence or antagonist-II(PIVKA-II)は測定しなかった.64歳時の5月に肝S7に13 mm大,肝S8に12 mm大の肝細胞癌の再発を認めTACEを施行し,その後再発なく経過した.同年11月に腹部造影CTにて肝右葉(S5-6)に造影効果のない辺縁不明瞭な30 mm大の低吸収域を認めた.ワルファリンカリウムをエドキサバンに変更しPIVKA-IIを測定したところ,952 mAU/mLと高値を示した.PET-CTで同部位に集積亢進を認め,肝細胞癌の再発と診断し,低分化型肝細胞癌が比較的急速に進行したものと考えた.肝細胞癌の患者では,α-フェトプロテインとPIVKA-IIが腫瘍の進行の指標となるため,直接経口抗凝固薬の使用が望ましいと考えられた.</p>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 60 (1), 39-45, 2019-01-18

    一般社団法人 日本肝臓学会

参考文献 (9)*注記

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