潰瘍性大腸炎の治療中に発症した成人特発性腸重積症の1例

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タイトル別名
  • An Adult Case of Idiopathic Intussusception with Ulcerative Colitis

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抄録

<p>症例は36歳の男性で,4年前より潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis;以下,UCと略記)(全結腸型)で内服加療されていた.突然の腹痛を主訴に受診し,回盲部の腸重積症の診断で,緊急手術の方針とした.ステロイド,免疫抑制剤を内服中であり,腹腔鏡下に結腸右半切除術と一時的回腸人工肛門造設を施行した.重積先進部は盲腸で,特発性腸重積症であった.術後経過は問題なく,約5か月間の原疾患治療後に腹腔鏡補助下残存大腸全摘術を行い,以後UC再燃は見られていない.成人腸重積症は比較的まれな疾患であり,さらに特発性はまれである.一般的に腸重積症と診断した場合には絞扼による腸管虚血のリスクが高いため速やかな治療が必要である.しかし,患者背景,状態,穿孔の有無,腸重積の程度,部位などにより個々の症例に応じて術式を決定すべきであり,本症例ではリスクを考慮し,原疾患に対しては二期的に手術を行った.</p>

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