低分化型腺癌成分を広範に伴う膵退形成癌の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Anaplastic Carcinoma of the Pancreas Including a Region of Poorly Differentiated Adenocarcinoma
  • 症例 低分化型腺癌成分を広範に伴う膵退形成癌の1例
  • ショウレイ テイブンカガタセンガン セイブン オ コウハン ニ トモナウ スイタイケイセイガン ノ 1レイ

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抄録

症例は72歳,女性.左季肋部痛を主訴に精査加療目的で入院となった.腹部造影CT検査で膵頭部に20mm大の乏血性腫瘤と末梢の主膵管拡張および腫瘤による門脈の圧排像と,MRI検査で膵頭部腫瘤と主膵管の途絶を認め,CA19-9 254.3U/mlと腫瘍マーカーの上昇を認めた.以上より,膵頭部癌の診断で全胃幽門輪温存膵頭十二指腸切除術+門脈合併切除を施行した.病理組織学的に,腫瘍の多くを低分化型腺癌の成分が占め,一部に多形細胞型および紡錘細胞型退形成癌の成分を認め,形態的には類上皮血管肉腫に酷似していた.補助化学療法としてS-1療法を施行するも,術後75日目に多発肝転移再発および癌性腹水を認め,術後88日目に原病死となった.本症例は,腺癌から退形成癌への移行像を認め,その発生機序を推察する上で有用であると考えられたため報告する.

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