ソーシャルワークのグローバル定義にみる知の変容――「地域・民族固有の知(indigenous knowledge)」とはなにか?――

書誌事項

タイトル別名
  • The Transition of Knowledge in the Definition of Social Work――What is ‘Indigenous Knowledge’?――
  • ソーシャルワーク ノ グローバル テイギ ニ ミル チ ノ ヘンヨウ : 「 チイキ ・ ミンゾク コユウ ノ チ(indigenous knowledge)」 トワ ナニカ?

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抄録

<p>2014年7月に採択された「ソーシャルワークのグローバル定義」で,ソーシャルワークは「学問」であると初めて明記された.その「知(knowledge)」は学際的なものであり「ソーシャルワーク固有の理論的基盤および研究」に加え,「他の人間諸科学の理論」も援用するとされる.さらに「地域・民族固有の知(indigenous knowledge:IK)」もこれらと同等の一つの知と明記された.本稿ではほかの学問分野におけるIKに関わる議論も参考にしながら,これが重視された背景や日本における展開を考察する.</p><p>ソーシャルワークの知の変化の背景として,ソーシャルワークには先住民族をはじめ社会的弱者を迫害した歴史があったことを真摯に受け止めなければならないという機運が高まったこと,ソーシャルワークの知はサービス利用者と共に生み出すことをよしとする風潮が生まれたこと,西洋的な価値観に基づくソーシャルワークへの批判などがあり,これが新定義に反映されたといえる.</p>

収録刊行物

  • 社会福祉学

    社会福祉学 57 (1), 113-124, 2016-05-31

    一般社団法人 日本社会福祉学会

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