小腸軸捻転をきたした小腸GISTの1例

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  • A Case of Gastrointestinal Stromal Tumor of the Small Intestine with Small Bowel Volvulus

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抄録

<p>症例は85歳,女性.下腹部痛を主訴に近医受診,小腸捻転の診断で当院救急搬送となった.腹部造影CTで右下腹部に4.8×3cm大の不整形腫瘤が存在し,上腸間膜動静脈を中心に腸間膜の動静脈が螺旋を描くwhirl signを認めた.小腸腫瘍による小腸軸捻転の診断で緊急手術となった.開腹すると,Treitz靭帯より60cm肛門側の空腸に,壁外に発育する4.5cm大の腫瘍が存在し,上腸間膜動静脈を回転軸として時計回りに720度捻転していた.虚血所見は認めず,捻転を解除し,腫瘍を含め約5cmの小腸部分切除術を施行した.病理組織学的検査の結果,c-kit強陽性,CD34,SMA弱陽性,S-100,desmin陰性,核分裂像は2/50High Power Fields(HPFs)でlow grade malignancyの小腸GISTと診断した.小腸GISTが,小腸軸捻転に関与したと考えられる稀な症例を経験したので,文献的考察を加え報告する.</p>

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参考文献 (8)*注記

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