肺・縦隔発生の神経内分泌腫瘍:病理診断と治療Update

  • 後藤 悌
    国立がん研究センター中央病院呼吸器内科
  • 元井 紀子
    国立がん研究センター中央病院病理・臨床検査科

書誌事項

タイトル別名
  • Neuroendocrine Tumor of Lung and Mediastinum: the Updated Pathological Diagnosis and Treatment

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抄録

<p>肺・縦隔発生の神経内分泌腫瘍は,小細胞癌,大細胞神経内分泌癌,異型カルチノイド,定型カルチノイドに分類され,小細胞癌,大細胞神経内分泌癌は高悪性度,異型カルチノイドは中悪性度,定型カルチノイドは低悪性度に大別される.WHO分類第3版(2004年)では異なる大分類項目に収載されていたが,最新のWHO分類第4版(2015年)では,神経内分泌腫瘍として1つの疾患グループにまとめられた.神経内分泌分化を示す大細胞神経内分泌癌が小細胞癌と同じカテゴリーに分類された点は大きな変更であり,生物学的特性の理解,今後の治療戦略の構築に有益と考えられる.肺・縦隔神経内分泌腫瘍の治療は外科切除が第一選択で,切除不能例に対しては薬物療法が施行される.高悪性度ではプラチナ製剤を中心とする化学療法が,カルチノイドではソマトスタチンアナログ,分子標的薬mammalian target of rapamycin(mTOR)阻害薬エベロリムスと,治療の選択肢が広がっている.本稿では,肺・縦隔神経内分泌腫瘍の疫学と病理診断,治療について,最新の知見を含めて概説する.稀な腫瘍の日常診療の一助となれば幸いである.</p>

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 59 (1), 37-45, 2019-02-20

    特定非営利活動法人 日本肺癌学会

参考文献 (20)*注記

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