バルクコンテナによる加工業務用ニンジンの出荷作業性向上と品質への影響に関する検討

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書誌事項

タイトル別名
  • Consideration of Operating Efficiency and Conditions for Quality Preservation when Using a Bulk Container to Ship Carrots for Processing

抄録

「青果物用リターナブルバルクコンテナ(BC)」を,加工業務用ニンジン(ニンジン)の出荷容器に導入した場合の省力化効果,および損傷発生と防止策について検討を行った.BC の導入により,ニンジンの出荷にかかる作業工程の簡略化,作業時間の短縮が実現し,作業者の疲労が軽減する傾向がみられた.また,BC にニンジンを充填する際の損傷発生を抑制するためには,損傷が発生しやすい垂直方向の落下を避け,水平方向の落下においてもその高さを80 cm 以下に抑える必要があること,内袋を使用することで水平方向では120 cm 高さから落下しても損傷を抑制できることが明らかになった.実輸送を模擬した振動試験では,いずれの包装容器,充填方法でも,上段のニンジンに「擦り傷」などの損傷が多く発生し,その原因の一つとして上段のニンジンの相対運動が考えられた.BC にニンジンをランダム充填した「BC 非整列区」において商品性を損失(外観スコア1)した割合は12.8% で「BC整列区」の1.4% と比較して高い値を示した.ただし,既報において,内袋が損傷発生に相関を持つ加速度伝達率または回転角を低減することを明らかにしていることから,ランダム充填においても内袋を利用することで重大な損傷を低減でき,BC 流通への適応性が高まる,と考えられた.

収録刊行物

  • 新近畿中国四国農業研究

    新近畿中国四国農業研究 2 (0), 55-66, 2019

    国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構西日本農業研究センター

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390564238080544128
  • NII論文ID
    130007615334
  • DOI
    10.24755/westernagrires.2.0_55
  • ISSN
    2433796X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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